2020年04月23日
秤ニカケテ詠メル
逢ひたしを う月のあらしも 去りしかば 終はらぬ憂さの いつぽうにをく
るい詠める
<読み>
あいたしを うづきのあらしも さりしかば おわらぬうさを いっぽうにおく
<意味>
逢いたい [と謂う心情] を、4月の嵐も去ったので、終わらない憂鬱を [秤の] 一方に置く。
<解説>
第2句「去りしかば」は、ラ行四段活用"去る"連用形 + 過去の助動詞"き"已然形 + 順節の接続助"詞"ば"である。接続助"詞"ば"には幾つかの用法があるが、已然形接続なのでここでは原因・理由と解す。仮に、未然形接続 [この場合で謂えば"去りせば"] ならば仮定条件を意味し、"もし〜ならば" [この場合でい謂えば"去ったのならば"] と謂う意味に解す。
歌の解釈をここでするのならば、逢いたいと謂う感情を今まで抑制していたのが「う月のあらし」で、それは今は去ってしまった、でも逢いにはいけないので、いつまでも憂鬱になっている、と謂う事になるのであろうか。
逢いにいけない理由、逢いに行く事を妨げているモノは、各自で想像すれば良いだろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:25 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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