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2020年05月28日

乙女ノ祈リミテ詠メル

20200528.jpg
風呂をいで しよう女ふたりは みちゆきぬ 盆の窪には ぬかるみてち

るい詠める

<読み>
ふろをいで しょうじょふたりは みちゆきぬ ぼんのくぼには ぬかりみてち

<意味>
風呂をでて少女ふたりは道行きをしてしまう。盆の窪にはぬかるんだ土がついている。

<解説>
詞書にあるのは、映画『乙女の祈り (Heavenly Creatures)』 [ピーター・ジャクソン (Peter Jackson) 監督作品 1994年制作] であろう。少女2人が犯したある殺人事件を題材とした、非常にせつないと同時に、映画への愛があふれた作品である。
だけれども、その映画に描かれているモノがそのまま歌となっている、と謂う訳でもない。
[とは謂え、作品内容に関わる事柄をここに綴る訳にもいかないのだが] その映画での印象に引き摺られて結句をみれば、「ち」は"土 (Earth)"であるよりも"血 (Blood)"である様に思える。
と、ぼくは読んでしまうのだが、詞書に囚われずに、もしくは、その語句を映画題名と異なるモノとして解したら、どの様な解釈が可能なのだろうか [そしてそれを阻むモノ、拒むモノはそこにはない]。「みちゆき」即ち、心中 (Double Suicide) を決意して沐浴した少女2人の首筋、即ち、「盆の窪 (The Hollow In the Nape Of The Neck)」が、ぬかるんだ土 (Earth) で汚されている、と謂うのである [そしてその場合、「ち」を"血 (Blood)" と解する事は可能なのだろうか]。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:14 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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