2020年07月09日
悶々トシテ詠メル
喧嘩して ひら手喰らはせ 去りしかば どのつら下げて 逢いたしと云ふ
るい詠める
<読み>
けんかして ひらてくらわせ さりしかば どのつらさげて あいたしという
<意味>
喧嘩してビンタを喰らわせて去ったのだから、どの面下げて逢いたいと謂う [のだろう]。
<解説>
第3句「去りしかば」は、ラ行四段動詞"去る"連用形 + 過去の助動詞"き"已然形 + 原因理由を顕す接続助詞"ば"である。訳は上の<意味>の様に"去ったのだから"となる。仮に"去りせば"であるのならば、ラ行四段動詞"去る"連用形 + 過去の助動詞"き"未然形 + 仮定条件を顕す接続助詞"ば"となり、訳は"去ったのならば"となる。
結句「逢いたしと云ふ」は、文意から疑問ないし反語を顕す語句が省略されていると理解する事が出来る。その一方で、この歌は、「ひら手喰らはせ」たのが、作者なのか、それとも作者に対峙する一方の当事者なのか、不鮮明である。よって、いずれとも解釈可能であるが故に、結句の省略された語句が、疑問なのか反語なのかは、微妙に変動すると想われる。<意味>では、どちらにも解釈可能な様に、無難なモノにしてある。
ちなみに、ぼく自身は「ひら手を喰らはせ」た側でも、「ひら手を喰らはせ」られた側でもない。誤解なき様。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:14 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/2982