2020年07月16日
梅雨寒ニ詠メル
雨のがれ いつのまにやら ここはレテ いつか來るや レミングが群
るい詠める
<読み>
あめのがれ いつのまにやら ここはレテ いつかきたるや れみんぐがむれ
<意味>
雨から逃れていつのまにやら辿り着いたのがここ、レテの川である。いつか来たのだろうか、レミングの群れは。
<解説>
第3句「レテ」はギギリシャ神話 (Greek Mythology) にあるレテの川 (Lethe)、本邦に於ける三途川 (Sanzu River) に相当する。
結句「レミング」には、群れをなして海へと向かい、集団自殺 (Mass Suicide) すると謂う伝説がある。その生物は、大量にかつ急激に個体数が増減する事と、集団移住する習性がある事から産まれたモノらしい。
第4句「來るや」は、カ行変格活用動詞"来る"連用形 + 完了の助動詞"たり"連体形 + 係助詞"や"でる。
この係助詞"や"を疑問と解すれば、上の<意味>の様になり、レミング (Lemming) の集団自殺 (Mass Suicide) に関する伝説を前提としたモノとなる。一方で、これを反語と解釈すれば、その伝説を否定したモノとなる。解釈は"来たのだろうか [否、来ない]"となる。
また、この「や」を詠嘆を顕す間投助詞と謂う理解が成立しないでもない。その場合の解釈は詠嘆となり、"来たのだろうなぁ"となる。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:15 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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