2020年09月17日
夏ノ終ハリニ詠メル
うなさるる 敷布みだれて よる皺は 閨にひとりぞ ものぐるほしかる
るい詠める
<読み>
うなさるる しきふみだれて よるしわは ねやにひとりぞ ものぐるおしかる
<意味>
うなされて [いる私の] 敷布が乱れて皺がよるのは、寝室にひとりであって、狂おしいばかりである
<解説>
初句「うなさるる」は、ラ行下二段活用"うなさる"連体形、従って、訳す場合は上の<意味>での様に、体言を補う必要がある。
第3句「よる」は、"皺がよる"の他に、"夜"が隠されている掛詞と解釈出来ないでもない。但し、上の<意味>ではそれを前提としていない。
第4句「閨にひとりぞ」の「ぞ」は係助詞"ぞ"であり、係り結びの法則の結果、それを受ける結句「ものぐるほしかる」は形容詞シク活用連体形となっている。
歌の言外には、恋人とふたりでねる場合ならば敷布に皺がよるのは当然ではあるが、今夜はたったひとりであるのにも関わらず、... と謂う様なニュアンスがあるのかもしれない。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:12 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/3024