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2020年12月31日

晦日ニ詠メル

20201231.jpg
なにげなき 挨拶すらも 胸に沁む 祈るがごとく よき年をと

るい詠める

<読み>
なにげなき あいさつすらも むねにしむ いのるがごとく よきとしをと

<意味>
何気ない挨拶でさえも胸に沁みいる。祈るように「良き年を」と [聴こえるのだ]。

<解説>
第2句「すら」は類推の副助詞、"〜さえ"と訳す。ややこしいのは、おなじ副助詞"さへ"が添加の意味をもつ時があり、その場合は"〜までも"と訳すべきである事である。文章全体に於けるその1文が果たすべき役割を考えて訳さなければならない。尤も、学生ないし受験生は、単純に、"すら"→"さえ"、"さへ"→"までも"と、公式化して憶えても差し支えないだろう。その様な場合でなければ出題される可能性が低いからだ。
歌の解釈としては、例年であれば単なる時候の挨拶でしかない語句「良き年を (Have A Good New Year)」が今年に限っては、その語句が祈念の言葉として聴こえると、謂うモノである。尤も、その語句本来が果たすべき役割こそ祈念ではあるのだが。
震災の年も、その様な感慨も起こり得た筈であろうが、その年はまだ未来へと託すべきモノがあった様に思える。単純に考えれば、これから良くなるだろう、良くしなければならないだろうと謂う希望的観測に基づいた響きがあった様に思える。
では、今年は? ... 、そして来年は? ...。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:21 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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