2021年06月24日
訃報ニ詠メル
蟲のねか つゆの谷まの かぜの香に 掌にしてきかば 星をつの報
るい詠める
<読み>
むしのねか つゆのたにまの かぜのかに てにしてきかば ほしおつのほう
<意味>
虫の音だろうか、梅雨の谷間にそよぐ風の香りとともに聞こえるのは。 [鳴る電話を] 掌にして聴けば、ある方が亡くなったとの一報である。
<解説>
梅雨なのか、梅雨でないのか、はっきりとしない。晴天の日も多い。その一方で、突然、激しく降り出す時もある。気温や湿度を度外視すれば、それは真夏によくみられる光景である。日中はともかくとしても、夜はまだ過ごしやすいのだ。窓を開ければ、風も心地良く感ぜられる。
そんな叙景を詠んだ上句を受ける下句を読むと、ふと小泉八雲 (Lafcadio Hearn) の随筆『虫界> (Insect Study)』 [1904年発表] の1章『蝶 (Butterflies』を想いだす。そこでは幽体離脱 (Out-of-body experience) した霊魂 (Spirit) が、蝶 (Butterfly) へと化身して訪れるとあるのだ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:15 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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