2021年07月08日
明子ヲ詠メル
陽の堕ちて 蟲蛾戯ぶる 宴げがもと そこに佇む くろ髪の頬
るい詠める
<読み>
ひのおちて ちゅうがたわぶる うたげがもと そこにたたずむ くろかみのほほ
<意味>
日没して蟲や蛾が戯れている宴の下で、そこに佇んでいる黒髪 [の女性] の頬 [が濡れている]。
<解説>
対比がある。
上句に登場するのは蛾 (Moth) に代表される、幾匹もの昆虫 (Insect) 達 [に限っての事ではないが「蟲」と謂う語句の意味するところは] であり、下句に登場するのはひとりの女性である。
そして、前者は第3句「宴げ」にある様に、その生命を謳歌しているのに対し、後者は哀しげである [結句「頬」が象徴しているモノを上の<意味>の様なモノとして把握しているのだが]。
ところで、詞書にある「明子」とは、漫画『巨人の星 (Kyojin No Hoshi : Star Of The Giants)』 [原作:梶原一騎 (Ikki Kajiwara-) 画:川崎のぼる (Noboru Kawasaki) 1966〜1971年 週刊少年マガジン連載] の登場人物のひとり、星明子 (Akiko Hoshi) の事なのであろうか。と、すると結句「頬」の意味はもう少し異なるモノになる可能性がないではない。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:16 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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