2022年02月17日
如月ニ詠メル
朗らかに ゑたる慶び 春のうた かげでなくひと しらぬでなくも
るい詠める
<読み>
ほがらかに えたるよろこび はるのうた かげでなくひと しらぬでなくも
<意味>
朗らかに獲得した喜びを [意図する] 春の歌 [を歌う]。そのかげで泣いている人 [がいるのを] 知らない訳ではないが。
<解説>
丁度、今、開催されている2022年北京オリンピック (2022 Winter Olympics) を詠んだ歌とも、恋愛のある叙景を詠んだ歌とも解せられる [尤も、恋愛に於ける勝者自身が、自身の競争相手である敗者に対してその様な感慨を持つとは考えにくいのだが]。
文法的な点を指摘すべき点は、結句「しらぬでなくも」の助詞「も」に関して、である。その語句は、係助詞としても終助詞としても機能し得るが、ここでは後者と解すべきだ。終助詞としての意味は詠嘆である。
ところで、ぼく自身の体験から謂えば、遥か昔の高校受験 (High School Entrance Exam) 時、合格の一報を携えて職員室に向かった際の事である。担任に報告を終えた後、退出際に彼はこう謂う。「受かったのはおまえだけじゃない、そして、落ちた奴もいるんだからな」と。
受験期の今の光景を描写した歌とも、読めるのだ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:28 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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