2022年09月08日
長雨ニ詠メル
きぬぎぬに あさ陽ささざる その途ちを きへゆくきみは 傘の闇へと
るい詠める
<読み>
きぬぎぬに あさひささざる そのみちを きえゆくきみは かさのやみへと
<意味>
翌朝に朝陽がささないその道を、消えてしまうあなたは傘の闇の中へと。
<解説>
全国に猛威を振るうであろうと警戒されていた台風11号 (Typhoon Hinnamnor)
は温帯低気圧 (Extratropical Cyclone) となり、この地域でのその危機は未然に回避された格好ではあるが、颱風 (Typhoon) 一過と謂う清々しさとは無縁である。その残り香の様な雨が今、降っている [そしてそれこそが災害をもたらすのではないかと謂われてもいる]。
この歌は雨の朝の叙景、しかも恋人とのわかれの情景でもある。それは初句「きぬぎぬ (The Parting Of Lovers In The Morning)」に象徴されてもいる。
解釈に悩むのは結句「傘の闇へと」である。薄明の中、傘をさせばその直下にいる人物はさらに薄暗い中に居る事になる。それとも、その人物と同様に、傘を指した群衆をさしての事なのだろうか。何故ならば、その時間、多くの人々にとっての出勤時間でもあるからだ。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:29 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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