2022年12月22日
別離ヲ詠メル
墓碑めいを 背にしてもどる 師走の市 きみのせたつや ひこうきぐもに
るい詠める
<読み>
ぼひめいを せにしてもどる しわすのいち きみのせたつや ひこうきぐもに
<意味>
墓碑銘を背にして戻るのは師走の街である。あなたをのせて沸き立つ飛行機雲に [も]。
<解説>
墓碑銘 (Epitaph)、すなわち墓地 (Cemetery) であろう、を起点として、ふたつの方向が詠まれている。
ひとつは上句、市街地へと帰る作者。これは日常への復帰であろう。こちらの解釈は難しくない。
もうひとつは下句で、上昇する航空機を暗示する飛行機雲 (Contrail) である。これ、と謂うのは航空機の事ではあるが、そこには第4句「きみ」が搭乗している。
単純に考えれば、墓参を終えた後のふたりの人物の行動を描いたモノではあるのだが、果たして第4句「きみ」は生者なのであろうか。その人物の昇天が下句である様にも読める。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:24 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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