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2023年11月23日

映画ヲ詠メル

20231123.jpg
夜明けまへ おもふがままに からつ風 ころげて落つる 乳母くるまのあと

るい詠める

<読み>
よあけまえ おもふがままに からっかぜ ころげておつる うばぐるまのあと

<意味>
夜明け前におもいのままに空っ風 [が吹き荒れて、坂道を] 転げて落ちる乳母車のあとを追う。


<解説>
下句から連想するのは映画『戦艦ポチョムキン (Bronenosets Potyomkin)』[セルゲイ・エイゼンシュテイン (Sergei M. Eisenstein) 監督作品 1925年制作] のオデッサの階段 (Potyomkinskaya lestnitsa) の光景である。このシーンはその後、何度となく様々な創作物に引用されている [有名なところでは映画『アンタッチャブル (The Untouchables)』[ブライアン・デ・パルマ (Brian De Palma) 監督作品 1987年制作] の階段のシーン (The Stair Scene) だ] 。詞書にある「映画」とはこの作品 [もしくはその作品のそのシーンを引用した作品] なのだろうか。
また、オデッサの階段 (Potyomkinskaya lestnitsa) と謂う連想からさらに、現在の世界情勢にも想像が及ぶ。
結句「あと」は "後" とも "跡" とも解釈でき、そのいずれを採用するかで歌の解釈全体もまた変わるだろう。
この1週間の日中は小春日和 (Indian Summer) とも呼べそうな天候だが、夜間早朝は相当に寒い。第2句「からつ風」の季節もすぐそこだ。

(この項:たい)

posted =oyo= : 17:21 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)

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