2023年12月28日
映画ヲ詠メル
泥ねいの きしむ音ひびく そののちに けふはひとつか なしくずしの死
るい詠める
<読み>
でいねいの きしむねひびく そののちに きょうはひとつか なしくずしのし
<意味>
泥濘の地で軋んだ音が響いたその後に、今日は1件で済むのだろうか、なし崩しの死 [と謂うものは]。
<解説>
結句「なしくずしの死」と謂えば、小説『なしくずしの死 (Mort a credit)』 [ルイ=フェルディナン・セリーヌ (Louis-Ferdinand Celine) 作 1936年発表]である。その小説とこの歌はなんらかの関係があるのだろうか。
上句で「泥ねいの きしむ音ひびく」とあるが、泥濘そのものが軋む事はない。その様な状態の土壌上で、何かが軋んだのだろう。では、それは何か。
第4句「けふはひとつか」と謂う詠嘆は [勿論、結句「なしくずしの死」を指しての事だろうが]、諦観の様に読めてしまう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:29 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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