2024年10月24日
映画ヲ詠メル
ふゆの立つ みまひの床で 憶ゆるは こもれ陽あびし ははのくろ髪
るい詠める
<読み>
ふゆのたつ みまいのとこで おぼゆるは こもれびあびし ははのくろかみ
<意味>
立冬の日に、見舞いの病床で憶い出されるのは、木洩れ陽を浴びた母の黒髪である。
<解説>
第2句「みまひの床」に横臥しているのは、結句「はは」、それも歌の主人公自身の母親と解しても問題はないだろう [逆の場合、自身が横臥している際に母親が見舞いに顕れたと謂う理解もあり得るのだろうか]。
そんな叙景の中で結句「ははのくろ髪」が第3句「憶ゆる」のは、その母親が老いて白髪、もしくはそれに近い状況にあるからだろう。
しかも母親の老いを認識したのが初句「ふゆの立つ」、すなわち立冬 (Lidong) なのである。第4句「こもれ陽」がそれと対称的に春から夏を想い起こさせるモノだとすれば、初句「ふゆの立つ」が季節のみをあらわしているのではないと、考えるべきだろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:18 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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