2024年12月19日
映画ヲ詠メル
かぢかみし 弓てにからむ ふな虫の あふるる血すぢに われをわするる
るい詠める
<読み>
かじかみし ゆんでにからむ ふなむしの あふるるちすじに われをわするる
<意味>
悴んだ [自身の] 左腕にからむ船虫の [身体から] 溢れる血筋に我を忘れる。
<解説>
第3句「ふな虫」は、読本 (Yomihon)『南総里見八犬伝 (Nanso Satomi Hakkenden)』 [曲亭馬琴) (Kyokutei Bakin) 作 1814〜1842年執筆] に登場す毒婦、船虫 (Funamushi) の事であろうか。そして、彼女の末路を詠んだ歌なのだろうか。彼女は、そこで語られる物語に、何度となく姿を顕し、悪業を働くのだ。と、ここまで綴ってきて、はて、最終的には、彼女はどの様な運命を歩むのだろうか、と思うと、おぼつかなくなってしまう。
歌の内容に準拠して考えれば、彼女の死を目前としたその人物は誰なのだろうか、と謂う事である。歌の解釈は、その人物が彼女の敵であろうと味方、と謂うか情夫か、であろうと成立すると思う。
第3句「ふな虫」が甲殻類 (Crustacean) の海蛆 (Wharf Roach) である可能性がない訳ではないが、あまり考えたくはない。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:32 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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