2025年01月09日
映画ヲ詠メル
わざわゐに ならびしむくろの そのむかふ 花いちりんと 揺れたるや
るい詠める
<読み>
わざわいに ならびしむくろの そのむこう はないちりんと ゆれたるや
<意味>
災厄があり、その結果として並んだ遺骸の向こう側に花が一輪、揺れているのか。
<解説>
初句「わざわゐ」は天災とも人災とも、そして戦禍とも解釈が可能である。
そんな事態があって遺骸が並べられてあるのだが、下句をどう解釈すれば良いのだろう。
つまり、第4句「花いちりんと」にある格助詞 "と" である。"〜と一緒になって" とも "〜と化して" とも読めるのだ。ただ、いずれの場合であっても、それがナニモノであるのかと謂う結論をこの歌だけでは導き出す事は出来ない様だ。
また、結句「揺れたるや」の終助詞 "や" は疑問とも詠嘆とも解釈が可能である。その意味を持つ終助詞 "や"は用言終止形もしくは体言を受けるが、その前にある「たる」は完了助動詞 "たり" 連体形であり、これは体言が省略されていると看做せば良いのだろう。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:29 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.rtm.gr.jp/mt/mt-tb.cgi/3971