2025年01月16日
映画ヲ詠メル
ためらふや しずむとしれる そのふねに かねてのをんなも のれるがために
るい詠める
<読み>
ためろうや しずむとしれる そのふねに かねてのおんなも のれるがために
<意味>
躊躇ってしまう、沈むとわかっているその船舶に以前から知っていた女性も乗ってしまったために。
<解説>
歌の解釈以前に悩ましいのは、2箇所に登場する助動詞 "り" の解釈だ。つい、他の助動詞等と混同してしまう。
第2句「しずむとしれる」はマ行下二段動詞 "沈む" 終止形 + 格助詞 "と" + ラ行四段活用 "知る" 已然形 + 完了助動詞 "り" 連体形で、"沈むと知ってしまった" と訳せる。
結句「のれるがために」はラ行下二段活用 "のる" 已然形 + 完了助動詞 "り" 連体形 + 格助詞 "が" + 名詞 "ため" + 格助詞 "に"あり、"乗ってしまった為に" と訳せる。
そして問題の歌としての解釈ではあるが、初句「ためらふや」は、何に対して、また、どういう理由で、と謂う点が不明瞭なのである。沈没すると解っている船舶に乗船するのを躊躇すると謂う理解だけで良いのだろうか? その躊躇の理由は第4句「かねてのをんな」が結句「のれるがため」だからだろうか? そもそも、歌の主人公が第2句「しずむとしれる」のは何故なのだろうか? と。
(この項:たい)
posted =oyo= : 17:25 | comment (0) | trackBack (0) | るいの歌集(仮)
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