大岡越前オリジナルサウンドトラック 暗闘編

大岡越前オリジナルサウンドトラック 暗闘編大岡ファンの皆様と京都撮影所の皆様とCAL様のお蔭様でまたまた!当大岡越前のサウンドトラックCDを「もう二枚も作れる程」発掘する事が出来てしまいましてまたまた!?老いた父親のパワーありし日のレコーディング作品を根気よくチェックしどう並べたら皆様の不快にならないかに精根を使いまたまた!!こうして御挨拶までさせて頂きますヤマタケ次男山下透でございます。

本年2月にリリースされた当シリーズ、シリーズ?サウンドトラック一ともΙとも銘打っていないつまりは当続編?CDを制作するとは全く思っていなかった「一枚目」を聴いて下さった皆様、そして今回初めて手に入れて下さった皆様、に同時に贈らせて頂く文章になる様努力して行きます。
「また新たに京都から音楽テープを送ってもらえましたので一気に発表(売)しませう」っと連絡を頂き自分の音楽で超充実した日々を送れていた夏の終わりにオヤジの音楽の持主の一つ、CALを訪れました。父の過去の作品を復刻したりリメイクしたりという作業は自分が四十を越えた頃から臆面もなく努力出来る様になっており、“ヤマタケ”ミュージックについての多大な評価や、発掘に対する関係者やアーティスト達のご努力に感謝し乍ら関わらさせて頂き続けています。

さて現実に四時期(実はシンセサイザーなどが入っている最新期シリーズつまりは五時期目?も含まれていたのですがそれらにはヤマタケの匂いが感じられないのでセレクトしていません)にまたがっって録音された劇伴音楽が、時代分けはされていない状態でズラーッと150曲余り並んでいるDATテープを目の前にします。表記されているのはオヤジがザンザカレコーディングして行く曲のアタマに録音する曲の題名「テーマオーボエッ」とか「しんみりせつなくっ」とかのセリフを真面目に書き取って下さった方によるクレジットだけです。
第何シリーズの第何話に使われたかという情報はありませんし、四時期(五時期?)だと思われるレコーディングの新旧も記されていない訳です。とにかく聞いてみるしかありません。でもその前に。これら音源を並べてどの様なコンセプトで一体何枚のCDを作るのかを決めなければ始まりません。
時期的な分類が可能ならば第何シリーズ編とか後期編とかのくくりが出来ますが、全てのVTRをチェックして音楽テープと照らし合わすのは超難作業ですし既に無策意に(という訳ではないですが、)音楽CDとしてごちゃまぜ編「一枚目」を出している訳ですし… はてと頭をひねって考えついたのが当二枚の分類、「叙情編」と「暗闘編」だったのです。

父の作品の特色としては皆様の御存知率の高い単純で人情なメロディー群、そしてそれを演奏しに集まって来るビッグなジャズミュージシャン達を操る奔放なオヤジとの合体フリージャズらしき群、とに二分出来るかと思われます。それらを含むバランスを少し変えれば何とか「編」でくくって二枚を発表出来るのではないかという僕を含めた関係者の思いつきを、ウームやるしかないナと私のセンスで並べさせて頂きましたエイヤッと。っと言う訳の今回の大岡越前サウンドトラック(II・III)、「叙情編」「暗闘編」でございます。

私は一途な番組ファンの種ではなく(勿論優しい剛様の大ファンですが)父の血を引く音楽家種なので大岡ファンの皆様の御感にはどう響いてくれるのか多少心圧ではございますが、そこはこの様な未来にcompactdiskとして出版されるなどとは夢にも思っていないオヤジとミュージシャン達の無謀とも言えるスピーディーなレコーディングセッションによる演奏の荒っぽさ共々、親子二代でどうか御寛大なるお裁きをば、忠相様。
(2002.10月 山下 透)

音楽:山下毅雄
監修:山下 透
解説:土龍団/加藤義彦
キングレコード(KICS-2393)
2002.12.25
¥2,800(tax in)