2010年05月16日
『追憶のランデヴー (Versions Jane)』 by ジェーン・バーキン (Jane Birkin)
この台詞。言った方のおとこからみれば、おもいっきりの褒め言葉のつもりかもしれないが、果たして、言われた方のおんなには、どんな言葉として響くのか。
だからと言って、周りの女性達に感想を求めるのも野暮というものだし、それ以前に、この言葉が当て嵌まる様な御婦人には、残念ながらぼくの周囲にはいない。
にも関わらずに、こんな言葉をふと想い出してしまったのは、本稿の主人公、ジェーン・バーキン (Jane Birkin) が、正にこの言葉どおりの女性だからだ。
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2010年04月18日
"Distinto, diferente" by JUAN DE MARCOS AFRO CUBAN ALL STARS
もうもうと感じる熱波と、倦怠感を促す湿度を感じさせるジャケットに魅入られて、ただそれだけで購入してしまったのがブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・バンド (Buena Vista Social Club Band) のファースト・アルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ (Buena Vista Social Club)』。
その際は、そのCDの中でどんな音楽が奏でられているのかも解らず、ライ・クーダー (Ry Cooder) によるプロジェクトである事も解らずに、購入してしまった。
1997年の事である。
そして、そこから促されるかの様に、本稿の主役であるアフロ・キューバン・オール・スターズ (Afro Cuban All Stars) にも出逢ったのだが、さて。
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2010年03月21日
"HOT RATS" by FRANK ZAPPA
フランク・ザッパ (Frank Zappa) のアルバム・ジャケットは大別すると、カル・シュンケル (Cal Schenkel) による悪趣味極まりないヴィジュアルか、それとも、フランク・ザッパ (Frank Zappa) ご本尊の大アップのどちらか、もしくはその両方だったりするのだけれども、本作品は幾分、ニュアンスが違う。
廃墟を想わせる石造りのオブジェ [もしかすると地下納骨堂 (Columbarium) の入口かもしれない] に潜むカーリー・ヘア (Curly Hair) の女性がその頭部と両掌だけをのぞかせている。
そのミステリアスな雰囲気と変調させられた色彩は、なんとなくブラック・サバス (Black Sabbath) のファースト・アルバム『黒い安息日 (Black Sabbath)』や映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド (Night Of The Living Dead)
』 [ジョージ・A・ロメロ (George A. Romero) 監督作品] のヒロイン(?) カレン (Karen Cooper) [演:カイラ・ション (Kyra Schon)] を連想させたりもする。
しかし、一見、シンメトリー (Symmetry) に観えるそのヴィジュアルは、微妙に傾いでいて、微妙に歪んでいる。
そして、勿論、これまで観て観ないふりをしてきたけれども、そのヴィジュアルを挟む格好で、『FRANK ZAPPA』『HOT RATS』と大書きされているのだった。
しかも、だめ押しで指摘すると、このアート・ワークもカル・シュンケル (Cal Schenkel) の手によるのである。
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2010年02月21日
"THE COMPLETE LESTER YOUNG" by LESTER YOUNG
レスター・ヤング (Lester Young) は、ぼくにとっては謎だらけの人物である。
そもそも彼を知るきっかけとなったのが、ジェフ・ベック (Jeff Beck) とジョニ・ミッチェル (Joni Mitchell) とモノクローム・セット (The Monochrome Set) なのだから、そのみっつの焦点を紡いでみたとしても、茫洋とした人物像が、姿を現す訳ではない。
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2010年01月24日
"BLACK SEA" by XTC
XTC(エックス・ティー・シー)を聴くことは、迷路 (Maze) の中を歩むのに似ている。
なにもそれは、彼らの『ワンダーランド (Wonderland)』のPVの中で、少女が迷路 (Maze) にも似た庭園を奔り惑っているからではない。それに第一、この曲は『ママー (Mummer)』 [1983年発表作品] に収録されている。本作品ではないのだ。
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2009年12月27日
『フー・アー・ユウ (WHO ARE YOU)』 by ザ・フー (THE WHO) SIDE TWO
『フー・アー・ユウ (WHO ARE YOU)』 by ザ・フー (THE WHO) SIDE ONEでは、この作品のタイトルにふたつの解釈があると書いた。
ひとつは『フー・アー・ユー (Who Are You) / お前は誰だ』。
そしてもうひとつは『オレを連れ去ろうとする、お前は誰だ (NOT BE TAKEN AWAY - WHO ARE YOU)』、これはキース・ムーン (Keith Moon) の死をうけて、偶発的にというか、こじつけがましく読んだものだけれども。
ここでは、もうひとつの解釈の可能性を追っかけてみる。
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2009年12月20日
『フー・アー・ユウ (WHO ARE YOU)』 by ザ・フー (THE WHO) SIDE ONE
古ぼけた作業用の椅子に、『持ち出し禁止 (NOT TO BE TAKEN AWAY)』と書かれた文字が『オレはまだここにいたいんだ (NOT BE TAKEN AWAY)』と読めてしまう。
キース・ムーン (Keith Moon) の遺作である。
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2009年11月22日
"Solitude Standing" by Suzanne Vega
最初は『トムズ・ダイナー [TOM'S DINER]』だった。
ア・カペラ (a cappella)、というよりも呟く様に唄われるその声が、情緒的なものや叙情的なものを排している。唄われている街の叙景がそのまま、今ここにある様に聴こえてくるのだ。
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2009年10月18日
『ユーズド (UZED)』 by ユニヴェル・ゼロ (UNIVERS ZERO)
印象的なピアノ (Piano) の残響音に導かれてオープニング・ナンバー『予感 (Presage)』が始る。この響きに引き込まれさえすれば、後は彼らの演奏に惑溺出来るのだ。
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2009年09月20日
『20 ジャズ・ファンク・グレイツ』 by スロッビング・グリッスル("THROBBING GRISTLE bring you 20 Jazz Funk Greats" by Throbbing Gristle)
可能性の音楽。この作品を聴く度に、音楽に不可能はないし、音楽というメディアで表現できないものはなにもない、そう想えてならない。
にも、関わらずに、その音楽そのものを語る術があまりに乏しく、不自由極りない、そんな徒労にも似た絶望感に打ちのめされるのも、この作品だ。
1979年発表作品、そして国内盤として僕が手に入れるのがその三年後の1981年。
このタイムラグだけが、その遠因であるとは決して言えないと、想う。
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2009年08月23日
"Stronger Than Pride" by Sade
閑を持て余していた大学生時代の事だったと思う。週末の深夜、というよりももう空は明るみ始めていて、早朝といっていい時分。その部屋に設えてあったTVからは、夜通し、海外アーティストのミュージック・クリップが流れていて、同室のものは皆、観るともなく観ていた。
卓の上には、雀牌が放置されていたのか、山と積まれた吸いさしで灰皿が溢れ還っていたのか、空っぽになっていたボトルが転げていたのか、それは知らない。
ただ、画面の向こうでは、白い大柄のトレンチ・コート (Trench Coat) を着込んだ、褐色の女性が、街を闊歩していたのだ。
それが、初めて観たシャーデー・アデュ (Sade Adu) だった。
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2009年07月19日
"NEW YORK" by LOU REED
随分と待たされたアルバム。以前、どこかで書いた様な気がするけれども、クルト・ワイル (Kurt Weill) のトリビュート・アルバム『星空に迷い込んだ男/クルト・ワイルの世界 (Lost in the Stars: The Music of Kurt Weill)』 [プロデュース:ハル・ウィルナー (Hal Willner)]で聴く事が出来た『セプテンバー・ソング (September Song)』が最高だったのだ。
素材である原曲によりかかりもせず、かといって、己の音楽性を殊更に際立たせない、そのアプローチがかっこ良かった。
原曲の持つ、甘美なメロディーは一切姿を現さない筈なのに、その曲が描く叙情は総て兼ね備えている。
ロックンロール (Rock & Roll)。
一言で言えば、それ以外のナニモノでもないその曲は、クルト・ワイル (Kurt Weill) のロックンロール (Rock & Roll)でもあると同時に、ルー・リード (Lou Reed) のロックンロール (Rock & Roll)そのものでもあったのだ。
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2009年06月21日
debut records presents; the Quintet' jazz at massey hall
アルバム・ジャケットのほぼ半分を占める扱いながら、その表情がよく見えないアルト・サックス (Alto Saxphone) ・プレイヤーの名前はチャーリー・チャン (Charlie Chan) とクレジットされている。
チャーリー・チャン (Charlie Chan) とは、本作品がレコーディングされた1953年当時、アール・デア・ビガーズ (Earl Derr Biggers) 創造の、中国系の名探偵の名前に他ならない。彼はEarl Derr Biggersの小説から始って、映画やラジオで活躍していた[TVへと進出するのは本作品がレコーディングされた5年後のこと]。
つまり、どういう事かと言うと、本作品にクレジットされているのは真っ赤な偽名であり、その正体はチャーリー・パーカー (Charlie Parker) という。
契約の関係上、名前も顔も伏せなければならなかったからだ。
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2009年05月17日
『夜明けの口笛吹き (THE PIPER AT THE GATES OF DAWN)』 by ピンク・フロイド (PINK FLOYD)
ピンク・フロイド (Pink Floyd) の、中でも シド・バレット (Syd Barrett) 在籍時代に関しては、彼の追悼記事として書いたここや、当時の彼らの代表曲のひとつに関するよた話で、あらかた書き散らかしてしまった様な気もする。
だから、ここでは以前に書かれた内容と重複しない様に書いてみる事にします。
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2009年04月19日
ビレッジ・バンガードの大西順子(JUNKO ONISHI LIVE AT THE VILLAGE VAHGUARD : JUNKO ONISHI TRIO somethin' else 5570)
大西順子(Junko Onishi)と言えば、電話帳(Yellow Pages)である。
電話帳(Yellow Pages)と言えばエディット・ピアフ(Edith Piaf)で、彼女が電話帳(Yellow Pages)を開いてそれを読むだけで、ということはつまりそこに書かれている名前や住所や電話番号を読み上げるだけで、感動出来ると言う言い伝えがあるのだけれども[と、ここで書いたネタを使い回しているのだけれども]、勿論、大西順子(Junko Onishi)はそうではない。
その分厚いだけで無味乾燥(To Be Very Boring)な文字が戯れている電話帳(Yellow Pages)を開くのではない。
ただ、己の尻の下に敷く(Be Henpecked And Meek As A Lamb)のである。
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2009年03月22日
"The New Age Steppers" by THE NEW AGE STEPPERS
エイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)という非常に灰汁の強い プロデューサー(Record Producer)に出逢った、作品である。しかしながら、本作品が発表された当時は、彼よりも、彼の掌の上で、自由奔放に飛翔してみせたミュージシャン達の行動の方に、眼を輝かせていたのだった。
つまり、スリッツ(The Slits)とザ・ポップ・グループ(The Pop Group)である。
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2009年02月23日
"Band on the Run" by PAUL McCARTNEY & WINGS
バンドは逃走中。
捕囚にあったモノモノどもが、厳重な警備の一瞬の隙をついて奔走しつつある、その最もスリリングな、クライマックスの一瞬を、ヴィジュアル化したのが、本作品のこのジャケットである。
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2009年01月18日
『ザ・ラウンジ・リザーズ(THE LOUNGE LIZARDS)』 by ザ・ラウンジ・リザーズ(THE LOUNGE LIZARDS)
モノクロの写真から漂う、アンニュイとも疲弊感ともとれる気怠い表情を観せる男達の中にあって、眼光鋭い視線をこちらに向けている男が居る。サックスを手にした、異様に縦に長いの顔(上掲の拙イラストだと横長だけれども)をした、その男の名はジョン・ルーリー(John Lurie)という。本作品を産み出したバンド、ザ・ラウンジ・リザーズ(The Lounge Lizards)のリーダーである。
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2008年12月14日
『地獄への接吻(DRESSED TO KILL)』 by キッス(KISS)
彼らの第三作である本作は、本国では1975年発表であるものの、ここ日本では本邦初登場の日本初上陸作品。従って、彼らの日本盤タイトルお馴染みの「地獄巡りシリーズ」もこの作品から。
だからアルバム原題とは無関係に、単純にバンド名を捩った作品名『地獄への接吻(DRESSED TO KILL)』となった。
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2008年11月16日
『クワイエット・ライフ(QUIET LIFE)』 by ジャパン(JAPAN)
彼らが遺したオリジナル・スタジオ・レコーディング作を、発表順に並べてみると、その五作品の真ん中に位置するのが、ここに紹介する作品。1980年発表の第三作『クワイエット・ライフ(Quiet Life)』である。つまり、彼らの歩んだ途の中間地点にあると同時に、結節点となる作品なのだ。
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